2019年に環境省が行った全国調査ではアレルギー性鼻炎の患者さんは49.2％とされ国民の2人に1人が鼻炎に悩まされていることになります。その中でもスギ花粉のアレルギーは38.8%と最多であり国民の4割にのぼるとされています。

当院では一般的な抗アレルギー薬の治療はもちろんアレルギー性鼻炎の根本的治療法として舌下免疫療法を導入しています。舌の下に薬剤を1分間保持してもらいその後飲み込んでもらうといった治療を1日に１回行うだけの治療です。アレルギー反応を起こさない程度の薬の量から始め徐々体を慣らしていくといった治療です。

現在当院では、スギとダニ(ハウスダスト)アレルギーに対する舌下免疫治療が可能です。アレルギー症状でお困りの方は気軽にご相談ください。

当院では始めにどんな種類のアレルギーがあるのかを調べるために採血検査を行います。アレルギー体質であるかどうかを採血検査の非特異的IgE抗体検査で調べ、最もアレルギーの原因として可能性の高い39の項目をVIEW39検査で調べます。この検査でスギとダニ(ハウスダスト)アレルギーの数値が高い場合、舌下免疫療法の適応となります。

舌下免疫療法の治療期間は3年以上とされています。当院では短期間で治療を終了すると効果が持続しないとされていますので4‐5年を推奨しています。

約8割の方がアレルギー症状の改善効果を実感でき2割の方に根治を期待できるとされています。抗アレルギー薬の様にすぐに症状が緩和されるわけではなく長期にわたって治療を継続することで体質改善していくといった治療です。

鼻アレルギー診療ガイドライン2020年版では、「3年以上継続すると、治癒中止後も長期にわたり有効性の持続が期待できる。」と紹介されています。

最初は2週間に1回、副作用などないことを確認してからは1か月に1回の通院で問題ありません。舌下免疫療法は保険診療ですので3割負担の方でスギ花粉症の場合、月約1500円、ダニ(ハウスダスト)アレルギーの場合月約2800円に診察料がかかります。

スギアレルギーの場合は、スギ花粉シーズン中は避けた方が良いとされていますので花粉が飛んでいない6月から12月が最適です。ダニ(ハウスダスト)アレルギーの場合はいつでも開始可能です。

もともとアレルギーの原因物質を体内に取り入れるために、副作用としてくしゃみや鼻水、目のかゆみ、せき、瞼や唇の腫れなどの報告があります。まれではありますが、アナフィラキシーショックと呼ばれる重い副作用を起こす可能性があり注意が必要です。アナフィラキシーショックは初回投与時に起こるとされていますので、初回の投与は院内で行い30分ほど様子を見ていただきます。