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高尿酸血症・痛風

【痛風の激痛予備軍の方々へ】「尿酸値7.0」を放置してはいけない本当の理由【腎臓と心臓を守る】

青葉おおしお総合クリニック院長です。 本日は、働き盛りの皆様の健康診断結果によく見られる項目、「尿酸値」についてお話しします。

仕事に趣味にと忙しい毎日を送る皆様が、ある日突然の病で倒れることなく、健康な人生を全うできるよう、医学的な根拠に基づきつつ、分かりやすい言葉で解説します。「痛風なんて自分には関係ない」と思っている方にこそ、読んでいただきたい内容です。

Q1 なぜ尿酸が高いと治療が必要なのですか?

Answer: 放置すれば、激痛だけでなく腎不全・動脈硬化があなたを襲います。

「健康診断で尿酸値が高かったけれど、痛くないから大丈夫」と考えていませんか?それは非常に危険な賭けです。 尿酸値が高い状態(高尿酸血症)を治療しなければならない最大の理由は、「沈着した尿酸の結晶が、静かにあなたの体を内側から破壊しているから」です。

血液中の尿酸の飽和濃度は7.0mg/dLです。これを超えると、尿酸は血液に溶けきれなくなり、ガラスの破片のような鋭い結晶となって関節や臓器に溜まり始めます。 これが関節で炎症を起こせば「痛風発作」となりますが、怖いのはそれだけではありません。この結晶は腎臓にも溜まり、「痛風腎」と呼ばれる状態を引き起こします。腎臓の機能が低下すると、最終的には人工透析が必要になることもあります。

また、近年の研究では、高尿酸血症が心臓病や脳卒中のリスクを高めることも分かってきました。私は長年、大学病院・基幹病院で救急患者さんを診てきましたが、心血管イベントで搬送される患者さんの多くに、未治療の高尿酸血症や生活習慣病が隠れています。「たかが尿酸」と思わず、将来の自分の体を守るために治療が必要なのです。

Q2 高尿酸血症になるとどんな症状が出ますか?

Answer: ある日突然、「骨折したか」と思うほどの激痛が走ります。

高尿酸血症の初期段階では、自覚症状は全くありません。これがこの病気の最も怖いところです。 しかし、水面下で蓄積された尿酸結晶が何かの拍子(激しい運動、脱水、飲みすぎなど)で剥がれ落ちると、免疫細胞がそれを攻撃し、激しい炎症を起こします。これが「痛風発作」です。

主な症状の特徴

  • 激痛: 足の親指の付け根が最も多く、赤く腫れあがり、風が吹いただけでも痛い(これが痛風の由来です)ほどの激痛が走ります。大人の男性が歩けなくなるほどの痛みです。
  • 痛風結節(つうふうけっせつ): 長期間放置すると、耳たぶや肘、足先などに「コブ」のようなしこりができます。
  • 尿路結石: 尿酸が尿の中で結晶化し、石となります。これが尿管に詰まると、背中や脇腹にのたうち回るほどの激痛(尿管結石)が生じます。

「症状が出てから病院へ行けばいい」と思っていると、その時にはすでに腎臓などの臓器障害が進行していることもあります。無症状の期間こそ、治療を開始するベストタイミングなのです。

Q3 高尿酸血症の原因はなんですか?

Answer: ビールだけじゃない。「体質」と「過食」が主犯です。

よく「プリン体の多いビールや魚卵を控える」と言われますが、実は食事から摂取されるプリン体は全体の約20%に過ぎません。残りの約80%は、新陳代謝の過程で体内で作られているのです。

高尿酸血症の原因は大きく分けて3つあります。

  1. 尿酸が体の中で作られすぎる(産生過剰型): 食べ過ぎ、肥満、過度な運動、アルコール摂取などが原因で尿酸が増えすぎてしまうタイプです。

  2. 尿酸が排泄されにくい(排泄低下型): 実は日本人の高尿酸血症の約6割がこのタイプです。腎臓から尿酸を出す能力が遺伝的・体質的に弱い方が多いのです。また、肥満やインスリン抵抗性(糖尿病予備軍)も排泄能力を下げてしまいます

  3. 上記の両方(混合型)

アルコールは、プリン体そのものだけでなく、「尿酸を作らせ、排泄を止める」というダブルの悪影響があります。ビールだけでなく、アルコールそのものが原因となり得ます。また、最近では果糖(ジュースやお菓子)の摂りすぎも尿酸値を上げる原因として注目されています。 遺伝的な体質に、現代の飽食とストレスが重なって発症するのです。

Q5. 痛風が動脈硬化に影響するって本当ですか?

Answer: 本当です。尿酸は血管を傷つけ、確実に寿命を縮めます。

これが私が最も皆さんにお伝えしたい点です。 かつて尿酸は単に関節が痛くなる病気と考えられていましたが、現在は「全身の血管病のリスクファクター」であることが分かっています。

尿酸が高い状態が続くと、血管の内側で「酸化ストレス」が生じ、血管の内皮細胞(血管の壁を守るバリア)を傷つけます。これが動脈硬化の引き金となります。 さらに、高尿酸血症の患者さんは、そうでない人に比べて高血圧、脂質異常症、糖尿病を合併しやすく、これらが互いに悪影響を及ぼし合います(メタボリックドミノ)。

『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版』においても、高尿酸血症は高血圧や慢性腎臓病(CKD)と密接に関連し、動脈硬化を進行させる要因の一つとして注意喚起されています。 尿酸値を適切にコントロール(5.0mg/dL以下を目標)することは、将来の脳梗塞や心筋梗塞を防ぎ、あなたの大切な家族と過ごす時間を守ることに繋がるのです。

院長からのメッセージ 痛風発作の激痛は、体からの「助けてくれ」という悲鳴です。しかし、悲鳴が上がる前に対処することで、腎臓や血管を守ることができます。 健康診断で「要経過観察」「要再検査」の文字を見たら、先延ばしにせず、一度当院へご相談ください。簡単な血液検査から、あなたの未来を守る対策を一緒に考えましょう。

文責:青葉おおしお総合クリニック 院長 大塩 博

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